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海住山寺所蔵の『解脱上人 大衣』・『慈心上人 七條』について

4.調書 次にこれは現状においてわかる範囲で、調査の結果を示した。
T.箱
材質桐箱
赤茶色
形状印籠蓋造
大きさ縦32.8cm 横29.7cm 高8.2cm
蓋表銘文解脱上人 大衣
慈心上人 七條
蓋裏銘文なし
箱内底銘文解脱上人 大衣
慈心上人 七條
宝筐院什物
年代不詳
角牒四隅にある小さな四角形の布。
II.大衣
衣材
縁、葉・・・緑茶
あて布・・・茶
形状四分律衣。環付。割截衣
二十五条(四長一短、水通しあり、裏あて布あり)。
衣量総寸 縦110.0p 横174.0p。
状態全体的に修繕が加えられた形跡がある。
年代不詳
@素材が麻である
A縁と条葉は同色の緑茶であるのに対し、田相は別色の深緑色である。
B割截衣であり、葉は開き、裏地は一つの葉に一つ充てられている
C四長一短の二十五条。
D環付。環は一条目に配置されている。
E鉤紐は十三条目にあり二つ折したときのちょうど真ん中にあたる。

III.七條
衣材
形状四分律衣。環付。割截衣
七条(二長一短、水通しあり)。
衣量総寸 縦99.0p 横170.0p。
状態全体的に修繕が加えられた形跡がある。
年代不詳
@素材が麻である
A縁と条葉はすべて同色である
B割截衣であり、葉は開いている
C二長一短の七条
D環付。環は一条目に配置されている。
E鉤紐は四条目にあり二つ折したときのちょうど真ん中にあたる。

※所見
『解脱上人 大衣・慈心上人 七條』と銘文に示され桐箱に納められた二領の袈裟(海住山寺蔵)は鎌倉期(1192〜1333)の寺宝と伝承され、今日にいたる。素材を科学的見地から判別した場合にはおおよその見当により制作年代が特定されるであろうが、ここに書誌学的な見地としてうかがうと、まず次の特長があげられる。



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